関連会社のご紹介 <日本容器株式会社>

○日本容器株式会社について
2011年に当社の関連会社として仲間入りした日本容器株式会社は、神奈川県横浜市鶴見区に1947年4月に設立され、今年で74年目を迎えました。

京浜工業地帯の臨海エリアにあり、大小様々な工場が立ち並ぶ地域の比較的閑静な場所に位置しています。
工場ではクローズドラム缶の他、ステンレスオープンドラム缶の更正をしており、年間約20万本を生産しています。

 

 

 

○クローズドラム缶の製造工程
当工場の主力製造品であるクローズドラム缶の製造工程についてご紹介します。

 

1.原缶受入・投入
原缶(回収されたドラム缶)をストックする置場です
原缶の状態を確認しライン投入可否を判断します。投入可能なものは更に種類ごとに仕分けされます

 

2.プラグ取り外し・残渣の回収
ラインに投入された原缶は、機械でプラグを取り外し、ドラム缶内部の油分等の残渣を抜き取ります

 

3.整形
ドラム缶のチャイム部・胴体の変形を整えます

 

4.内面脱脂洗浄・酸洗浄
蒸気噴射で缶体を温め、アルカリ洗剤による内部の脱脂洗浄の後、酸洗浄により錆を落とします

 

5.残水バキューム・内部乾燥
洗浄後の残水をバキュームで抜き取り、乾燥炉にて内部を乾燥させます

 

6.ラベル剥離
天板や胴体に貼られているラベルを剥離します

 

7.内部除湿
乾燥した空気をドラム缶内部に送り込み、除湿をします

 

8.一次内部検査
CCDカメラを用い、油・錆・水分・臭い等の検査項目を確認し、洗浄度の合否を判定します

 

9.塗装用仮プラグ装着
内部への塗料混入を防ぐため、プラグを取り付けます

 

10.ショットブラスト
0.8ミリの細かい鉄の粒をドラム缶の外面に当て、塗装を剥離します

 

11.漏洩検査
カプセルでドラム缶を覆い減圧、この時に漏れが発見されると超音波マイクで検知します

 

12.外観検査
ショットブラスト後の外観検査と塗膜残りの手直しを行います

 

13.口金予備塗装
大小栓の口金の立ち上り部を指定の色に塗装します

 

14.外面塗装・焼付け乾燥
ドラム缶の外面を塗装し、乾燥炉にて塗料を乾燥させます

 

15.仮プラグ取り外し
仮で装着したプラグを機械で取り外します

 

16.小栓増し締め
ドラム缶内部をエアー置換し、小栓を増し締めします

 

17.二次内部検査
再びCCDカメラにより内部を検査し洗浄度の合否を判定します。検査の最終工程です

 

18.製品保管
2階製品置場にて、完成品の仕分けと保管をします
ここでは約2000本のドラム缶を格納することができます

 

 

○製造技術への注力
工場内は設立当初の歴史を感じながらも、製造設備は更新されており、改善や工夫をしている様子が随所に感じられます。

 

*改善の一例
従来製品の出荷作業は、2階の製品置場から1階の出荷場まで複数人員を配置し、バケツリレー方式で1本1本ドラム缶を転がして作業をしていました。
特に出荷場から遠い場所に保管された製品を運ぶには、より多くの人員を要していました。

ここで改善策として、製品置場全体に約35メートルに及ぶ搬送コンベアを張り巡らせました。

 

この設備の導入により、出荷場から遠くに保管されている製品でも、コンベアに載せるだけで簡単に移動が可能となりました。

 

また、2階から1階へ自動的にドラム缶が降りるよう設備を改善し、トラックへの積み込みの負担も大幅に軽減されました。

 

このように、様々な新設備の導入で自動化を図る事により生産の効率化、人員配置の削減による作業員の負担軽減が考えられています。

 

 

○今後の展望
今後改善・工夫してきたい事について、製造技術部長兼事業所長へお話を伺ったところ、「建屋の老朽化が顕著であり、建屋外観の更新も視野に入れているが、製造の要である設備更新の提案を積極的に行っていきたい」とお話しされていました。
今冬には塗装ブースおよび搬送設置の更新が決定しており、これまでの横型塗装から縦型塗装へと変更し、人員省力化と外観品質の向上を目標としています。

 

 

 

 

※本レポートは2020年2月に見学した際の内容です。